CCG統語解析器lightblueと自動定理証明器waniによる自然言語推論の試み
富田 朝, 大洞 日音, 戸次 大介
Non-Peer-Reviewed 国内学会 Slide
本研究では、最新の理論言語学に基づく自然言語推論の枠組みを提案する。この枠組みは、組合せ範疇文法(CCG)に基づく精緻な統語解析と、依存型意味論(DTS)に基づく意味合成・型推論を行うlightblue、および依存型理論のための自動定理証明器waniを組み合わせたものである。これにより、各モジュールの仮説検証を通じて理論とモデルを相互に改善する枠組みを実現する。また、提案する枠組みは、経験的手法を基盤とした大規模言語モデル(LLM)とは対照的な合理主義的アプローチを提供し、LLMと相補的な役割を果たす。本論文では、この推論システムの実装の概要と、日本語推論テストセットJSeMを用いた評価手法について述べる。また、評価結果に基づくエラー分析を通じて、理論へのフィードバックとシステムの改善を行う方法論を示す。